とんだばやし歴史漫歩
年中行事と「中元」
 富田林に残されている年中行事の紹介も、今回で8回目を迎えました。
 これまでに、「正月」・「節分」、4月には嬉地区の「お日待ちさん」の話、そして「節句」・6月の「半夏生」・「お盆」、12月の「亥の子」などを、市内での聞き取り調査の結果として、とりあげてきました。このなかには古くからの伝統行事として、今も伝えられてきているもの、あるいは長い年月の間に、少しずつそのかたちを変えてきているものや、また、もうすでに語り伝えられるのみになってしまっているものもあります。
 たとえば、半夏生につきものであった『アカネコモチ』と呼ばれるおもちでも、今ではほとんどの家で見ることができません。亥の子も年中行事としては、すでに市内では行われていないようです。
 また、伝えられているもののなかには、行事というより、社会的に当たり前のこととして、とけこんでいるようなものもあります。
 私たちは7月になると、日ごろお世話になっている人に、よく「お中元」をします。これはもともと中国古来の信仰から出た習わしで、旧暦の1月15日を「上元」、10月15日を「下元」といってお祝いするのに対し、7月15日を「中元」と呼び、年間の無事を祝ったことが、仏教行事などと結び付いて、家庭で先祖の霊を祭ったり、一族の幸福を願ったりするようになったものです。それが日本に伝わって、いつのまにか、贈り物をすることが習わしとなり、今ではその風習だけが年中行事となっているのです。
  (平成4年6月号)