埋蔵文化財発掘レポート
発見された遺跡−畑ヶ田東遺跡−
 富田林は、古く1万年前から人々が生活していたことがわかっています。また、有史以前の100万年前には、ゾウやシカそれにトリたちが生息していた楽園だったことも明らかになっています。
 こうした事実は、いったいどのようにしてわかってきたのでしょうか。それは、発掘調査や工事中の現場から、建物跡やお墓、それに水田跡など、人々の生活にかかわるこん跡が見つかるからです。
 これらは、地中に埋もれているため、ほとんどその存在はわかりません。しかし、地表面に人々が使っていた食器などの遺物が落ちていることがあります。これは、地中に眠っている遺跡の存在を知る貴重な手がかりになります。つまり、地中に眠っていた遺物が、田んぼや畑の耕作によって地表面に現れるからです。そうすると、これらの遺物が散布する地中には、何か人々が生活していたこん跡が残っている可能性が高いと考えられるわけです。
 近鉄長野線富田林駅の前を走る旧国道170号線東方には、東高野街道が通っています。この街道沿いは、石川によって形成された平坦な地形が広がっていて、古く旧石器時代からの遺跡が点在していますが、現在、民家が密集している地域では、遺物の散布が確認できないこともあって、遺跡の範囲にふくまれていないことがあります。
 最近、若松町三丁目で開発工事が計画され、事前の試掘調査で新たに遺跡が発見されました。遺跡名は畑ヶ田遺跡の東方に位置することから畑ヶ田東遺跡と名付けられました。そして、奈良時代の建物跡が見つかりました。近くでは、西友富田林店周辺の畑ヶ田遺跡や近世の古い町並みが残る寺内町遺跡でも奈良時代の集落があったことがわかっています。これらのことから、富田林駅の東方には、広範囲にわたって当時の集落が存在していたことが想定できます。
(平成5年10月号)