埋蔵文化財発掘レポート
発掘調査って何?
 みなさんは日常生活のなかで、発掘調査の現場をよく目にされるのではないでしょうか。
 ところで、なぜ発掘調査をしなければならないのでしょうか。調査には、大きく分けて学術調査と緊急調査の2種類があります。私達が行っているのはおもに緊急発掘調査と言われるものです。それは、開発事業などの土木工事によって遺跡の保存が困難な場合、事業者と協議を重ねた後、遺跡の性格とその価値を明らかにするために、工事に先立って発掘調査を行い、調査の成果を記録として残すものです。このことは、文化財保護法にうたわれています。
 市内には、現在のところ160か所を越える遺跡があります。今回は、マンション建設に先立ち、滝谷不動駅の西側に広がる錦織南遺跡で発掘調査を行いました。
 調査は、4月の下旬から5月の終わりにかけて、およそ1か月行いました。これまでの錦織南遺跡での発掘調査では、古墳時代から奈良時代の集落があったことが分かっています。この調査では、古墳時代の土器を含んだ建物跡の遺構が確認されました。さらに、弥生時代の土器を含む溝跡も確認されました。このことは、古墳時代以前にも、調査付近に弥生人が生活していたことを物語るものです。
 このように、発掘調査によって、今まで分からなかった人々の生活の様子が明らかになってくるのです。しかし、こうした新しい発見の裏側には、貴重な遺跡の一部が後世まで残らないという事実も秘められているのです。
(平成5年7月号)