埋蔵文化財発掘レポート
縄文時代遺構の発見
 昨年の7月から9月にかけて、富田林駅北側にひろがる中野遺跡で発掘調査を行いました。今回の調査では、新たに奈良時代の溝の下層から縄文時代晩期(約2200年前)の自然流路が見つかりました。
 上層にあった奈良時代の溝は、西から東に流れる南北幅約18メートル、深さ約40センチメートルの浅い溝で、溝の中から須恵器、土師器、サヌカイトなどの遺物が出土しています。今回新たに発見された縄文時代晩期の自然流路は、今まで地山(これ以上掘り下げても遺構や遺物がない層)と思われていた地層にサヌカイト片や土器の破片がごくわずかながら含まれていることが確認されたため、さらに古い時期の遺構が存在するものと思われ、注意深く掘り下げて調査することになりました。掘り下げてみた結果、奈良時代の溝の下から、西から東へ流れる南北幅約25メートル、深さはもっとも深いところで約70センチメートルの自然流路がありました。この遺構から縄文時代晩期の土器の破片とサヌカイトが少量ですが出土しています。
 また、昨年の9月から10月にかけて実施した府立河南高校の南に広がる太郎池遺跡の発掘調査においても、地山と思われていた地層から弥生時代の土器が1点だけ出土したのをきっかけに掘り下げて調査した結果、縄文時代晩期の自然流路が見つかっています。
 平成3年の喜志西遺跡の調査は、C14年代測定(炭素による年代測定)を行い、約5000年前の堆積であるという、分析結果も得られます。
 このように近年の発掘調査によって、喜志、喜志西、中野、太郎池、錦織、錦織南遺跡など富田林市内の石川段丘に位置するところでは縄文時代に人々が生活を営んでいたことが分かってきています。
(平成5年2月号)