埋蔵文化財発掘レポート
埴輪のジグソーパズル?
 遺跡の発掘調査では、思いもよらない発見をすることがあります。
 今年3月から5月にかけて実施した喜志南遺跡(喜志町)の調査で、古墳の石室が見つかりました。耕作地の一画に、地表面からわずか30aの深さで奇跡的に残っていたのです。
 喜志地区に古墳がいくつかあったことは、喜志小学校周辺に広く残る「高塚」という小字名や埴輪が見つかることからも推測されていましたが、具体的な場所は分かっていませんでした。
 今回見つかった石室は、20a前後の石を巧みに並べて四角い部屋をつくったもので、内部の大きさは長さ1・3b以上、幅50aと小さめですが注目されるのは、床面からたくさんの円筒埴輪が見つかったことです。
 土管のような形をした円筒埴輪は、本来は垣根のように古墳に並べるためにつくられたものですが、横にしてひつぎに利用されることもありました。今回はそれとも異なり、破片を床面に平らに敷き詰めたもので、全国的に見ても珍しい利用法といえるでしょう。
 さて、石室は6世紀(古墳時代後期)のものと考えられますが、埴輪はそれよりも古い5世紀(古墳時代中期)の特徴を持っているため、どこかの古墳に並べられていたものを抜き取り、再利用したと考えられます。
 古墳時代中期の河内には、世界文化遺産登録に向けて準備が進められている古市古墳群(羽曳野市、藤井寺市)に見られるように、巨大な前方後円墳が次々とつくられました。しかし、市内には新家古墳(新家)や川西古墳(甲田)、彼方丸山古墳(楠風台)など、あまり規模の大きくないものが数えるほどしかありません。今回の埴輪は、古市古墳群で見られるような大型品であり、どこから運ばれたのかは今後の研究課題です。
 そこで、これらの成果を紹介する展示会を開催することになりました。埴輪は展示会終了後、立体ジグソーパズルのように接合するため、発見時の状態で展示する最後の機会になります。この機会にぜひご覧ください。
(平成27年7月号)