わたしのまちの文化財
歴史を語る古文書2
 古文書とは、中・近世から現在に至るまで、主に紙に書かれた歴史資料の総称です。その種類は、立派な墨書の帳面から走り書きの紙片まで、多岐にわたります。
 それらの古文書をひもとくことによって、当時の人たちの暮らしや、どんなことを考えていたのかが分かります。
 今回は、古文書を通して、江戸時代の庶民の姿を少しのぞいてみましょう。

 今から200年前、秋の気配漂う大坂に近いとある村。村役の人たちは、争い事の書類作りや納める年貢の計算に四苦八苦。大忙しの日々を送っています。
 田畑では村人たちがため息交じり。このところ不作続きのようで、「御役所様(領主)に年貢を減らしてもらうようお願いせねば」と、空を見上げています。願いを出すと、役人が調査にやってきて、時々大目にみてくれます。
 そばで手伝う子供たちは、もうすぐ寺子屋で勉強の時間です。
 祭りの準備に忙しい若者たちは、立派な労働力です。農作業を手伝ったり奉公に出たりして家を支えています。しかし、あり余るエネルギーは、ときに喧嘩や都会への家出、ばくちに異性のもめごとなど、時には大人たちにとって、頭の痛い問題となります。
 家では老人たちが、行商人や飛脚が置いていった瓦版で、話に花を咲かせています。地震のニュースに驚きながら、楽しみにしている旅行の道中は大丈夫かなどと心配しています。

 こんな、遠い昔の、秋の一コマ。一般的には、高い税金や飢饉に疫病、時には圧政に苦しみ・・・などのイメージもありますが、相撲や芝居、村祭りなど、楽しいこともたくさんありました。時代劇ではあまり見ることのできない身近な人々の営みがそこにはあります。
 このように、当時の暮らしを語ってくれる古文書は、私たちを過去にタイムスリップさせてくれる大事な宝箱なのです。
(平成17年10月号)