わたしのまちの文化財
重要文化財龍泉寺仁王門と府指定文化財金剛力士像
 市の南東部、嶽山の中腹に龍泉寺はあります。龍泉寺仁王門は、龍泉寺境内入り口に建っており、その仁王門の中に安置されているのが二体の金剛力士像(仁王像)です。龍泉寺の付近は、南北朝時代に、龍泉寺城を楠木氏などが居城にしたため、争乱に巻き込まれましたが、幸運にも戦火をまぬがれその姿を現在にとどめており、この門と金剛力士像は極めて貴重なものとなっています。
 仁王門は、門扉を支える本柱とともに、本柱の前後4本の控柱で門を支えるという構造になっており、八脚門と呼ばれる古来の一般的な形式の門ですが、現存のものは珍しいです。さらに、門は、切妻造りで本瓦葺きの屋根を有し、主要部が丹塗りの赤、壁は白漆喰仕上げなどの手法が取られ、豊かな自然の中で、重厚な建築景観を生み出しています。門の建築年代を示すような資料は残っていませんが、以上のような手法と形式が取られていることで、鎌倉時代中期ごろの建立であると推定されています。仁王門は、古くから文化財としての価値が認められており、昭和24年には、旧文化財保護法での重要美術品、38年には国の重要文化財に指定されています。
 また、二体の金剛力士像( 阿形(あぎょう)・吽形(うんぎょう))は、共に約一丈二尺(約3.6メートル)の寄木造です。金剛力士像は、顔の表情や細やかな筋肉の盛り上がりなどの写実的な表現がとても豊かで、像の大きさや力強さが見るものに伝わってきます。製作年代は、阿形・吽形双方の胎内に墨書銘があり、建治元年(1275年)に仏師の寛慶が彫ったものであると記されていること、彫刻が鎌倉時代中期の様式をとどめていることから、仁王門とほぼ同時代に製作されたと考えられ、昭和48年に府指定文化財に指定されています。
 それ以外にも、国指定名勝の庭園や府指定文化財の聖徳太子立像など、たくさんの文化財があります。
 龍泉寺は、とても自然が豊かで、紅葉で色づく嶽山を背景に仁王門を眺めるとまた違う感慨が沸いてきます。この秋、文化財と自然が融合して生み出される景観を探しに行かれてはいかがでしょうか。
(平成16年11月号)