わたしのまちの文化財
登録有形文化財『中内眼科医院』
 富田林町のほぼ中央、色彩の鮮やかさと、かつての建築様式の外観の美しさによって、近代的な建築景観を生み出している建物があります。それが、今回ご紹介する中内眼科医院です。
 同医院は、大正13年に国分銀行の本店として建築され、その後、三和銀行の支店となり、昭和50年に現在の診療所兼居宅となり、現在に至っています。
 その建物は、東面と南面を道路に接する角地に建つ鉄筋コンクリート造3階建てで、東南の隅を斜めに欠き、そこにポーチ(玄関)を設けています。さらに、1階の壁面には大型の半円アーチ窓を連ね、3階部分には、半円すいの窓台付の上げ下げ窓を配置した富田林で最初の鉄筋コンクリート建築です。
 建物の内部についても、旧営業室の玄関、客たまり部、業務カウンターの一部、大正期らしい意匠の階段、2階ギャラリーの手すりなど、当初の銀行としての空間が割合良く残っています。
 以上のように、当初の様式を残す中内眼科医院は、この地域での大正期の近代建築のシンボルとして位置付けられるとともに、その歴史性と特色ある建築景観とが評価され、平成12年に国の登録有形文化財として認定されました。
 また、文化財として、後世に継承していくため、15年度に、ポーチ(玄関)の復元、外壁の補修などの修理が行われました。その際には、昭和初期の写真が参考にされました。当時に、「すでにこんなに近代的な建物があったのか」という驚きと、現在でも新鮮に写る姿にはとても感慨深いものがあります。

 文化財に限らず、歴史的な建物を修理・復元する際には、かつての資料や写真などが活用されています。文化財もさることながら、その歴史を伝える資料も大変貴重なものです。このような資料は、意外と身近にあるものですが、文化財と同様に、後世に伝えていきたいものです。
※建物内部は、一般公開していないため、無断で見学することはできません。
(平成16年7月号)