わたしのまちの文化財
登録有形文化財『中内眼科医院』
 わたしたちのまわりには、残していきたい風景が意外にたくさんあります。ふたたび造ることのできないものなどは、立派な文化財です。しかし、最近の開発や生活様式の変化によって、多くの近代建築が失われています。そこで、平成8年に、これらの貴重な建造物を守るため、文化財として国に登録する制度ができました。この制度は、原則として建築後50年を経過し、国土の歴史的景観に寄与しているものや、造形の模範となっているもの、または、容易に再現できないものについて、文化財としての価値を評価し保存していこうというものです。今回取り上げるのは、富田林町にある中内眼科医院です。
 この建物は、大正13年ごろに国分銀行として建設されたもので、その後、昭和17年6月に三和銀行の所有となり、50年8月まで銀行として使用され、その年の10月に現在の中内眼科医院の所有となり、以降、診察所兼居宅として使用されています。
 この建物は、重要伝統的建造物群保存地区として国の選定を受けている富田林寺内町の中心部にあり、南と東を道路に面した角地に建つ鉄筋コンクリート造3階建てです。東西にやや長く、東南隅を斜めに欠き、そこに玄関ポーチを構えていて、道路に面する1階壁面には大型の半円アーチ窓を連ね、3階部分には半円すい窓台付の上げ下げ窓を配した、富田林で最初の鉄筋コンクリート建築です。特に町家建築が多いこの地域で近代的景観を際立たせています。
 内部は、医院に改築されたときに木造間仕切りなどが取り付けられていますが、旧営業室の玄関、客たまり部、業務カウンターの一部、そして大正期らしい意匠の階段、2階ギャラリーの手すりなど当初の空間が割合良く残っています。
※一般公開はしていませんので、無断で見学することはできません
(平成13年9月号)