わたしのまちの文化財
登録有形文化財 葛原家
 わたしたちのまわりには、残していきたい風景が意外にたくさんあります。ふたたび造ることのできないものなどは、立派な文化財です。しかし、最近の開発や生活様式の変化によって、多くの近代建築が失われています。
 そこで、平成8年に、これらの貴重な建造物を守るため、文化財として国に登録する制度ができました。この制度は、原則として建築後50年を経過し、国土の歴史的景観に寄与しているものや、造形の模範となっているもの、または、容易に再現できないものについて、文化財としての価値を評価し、保存していこうというものです。  富田林市には、10月現在で2棟の建造物が有形文化財として登録されています。そのうちの1棟が、市役所の北側に建つ葛原家です。
 この住宅は、富田林寺内町のなかにある三階倉で有名な葛原家の別邸として、大正13年に建てられました。コテージ風の外観と内部のセセッション式の意匠は、大正時代の洋風住宅を知る典型的な建物となっています。(コテージ風住宅は、大正時代、軽井沢などで別荘建築として流行しました)
 瓦葺で急勾配の切妻屋根がT字形に交差する、三角屋根の瀟洒(しょうしゃ)な住宅には、よく見ると、窓に薔薇の模様をあしらった、すてきなステンドグラスがはめられています。また、邸内には、池泉やパーゴラ(日陰棚)も残されています。
 このたび、建物の老朽化にともなって、屋根の葺き替えや、壁の塗り替えなどの修理がおこなわれ、大正時代のモダンでのびやかな雰囲気が甦りました。
 近世の風景が色濃く残る富田林寺内町にほど近い場所に建てられたこの住宅は、新しく夢のある洋風景観を成していて、当時は注目を集めたことと思われます。
※葛原家は、公開していません。無断で邸内に入ったりされないようにしてください。 
(平成12年12月号)