わたしのまちの文化財
国指定名勝龍泉寺庭園
 龍泉寺は、市内の南部にある嶽山の中腹に宝燈を灯しています。寺の名前からも分かるように、龍に大変関わっています。
 寺の縁起では、今から約1300年前、古池に悪い龍が住み、人をはじめ、あらゆる物に害を与えていました。そこで推古天皇の2年勅命によって、蘇我馬子はここに寺を建て、すべてを救うため法を念じ、ついに龍を退散させました。
 その後、寺の繁栄に努めましたが、ある時池の水が枯れ、付近からも水が全く湧かなくなり、寺が衰退していきました。
 しかし、弘仁14年(823年)にこの地を弘法太子が訪れ、太師は池に向かって加持祈祷をすること7日目の夜に豪雨となり、龍が現れました。夜が明けると、雨は止み、池には水が満々とし、池の中に3つの島ができていました。
 それ故、龍が一夜にして造った庭園と言われています。また、太師はこれらの島に社を祀られ、庭園の礎を築かれたとされています。
 庭園は、南北に延びる参道を通り抜け、仁王門をくぐった正面に本堂があり、その西側に広がっています。
 この庭園は、池と背後にそびえる嶽山を借景として成り立っています。また、池にハスなどを植えたり、花園を設けて、あたかも浄土世界にいるような雰囲気を演出しています。このように意図された庭園を、浄土式庭園と呼んでいます。
 また、池の規模は、南北60メートル、東西45メートルで、三つの小島が一列に配されています。池の全面には鳥居があり、池の島々と対岸とを結ぶ、石橋がかけられています。
 庭園の周囲は、木々で囲まれ、背後の山と一帯となり、美しい景観をかもしだしています。また、池には季節の花が咲き乱れ、一層、優美な景色を見せています。
 この美しい国指定名勝庭園の景色は、人間と自然が創り出してきた芸術のたまものであり、とこしえに守っていきたいものです。
  (平成12年4月号)